泡沫斜陽、番外編
※今回のお話は作者の趣味が丸出しになっただけの、蛇足的な作品となっております。
本編の雰囲気が壊れる可能性がありますのでご注意ください。
尚、上演仕様の場合はこちらの作品単品でのご使用はご遠慮くださると、個人的に嬉しいです(使用不可ではございません)
ナオ
年末に20歳になった。
タクマが大好き
タクマ
相変わらずの社畜
ナオが大切
ー--------------
ナオ:『二十歳の誕生日を過ぎ、正月ムードも過ぎた頃。同居人は静かな寝息を立てて隣で眠っていた』
ナオ:『普段から多忙な同居人、というか年上の恋人は休日になると泥のように眠る。険しい顔をしていることが多い彼の、穏やかな寝顔を眺める時間はとても愛おしい時間だと思う。
ナオ:投げ出された手は大きくて柔らかくて、顔を寄せると少し煙草の匂いがする。』
ナオ:『手のひらに、口付ける。反応は無い。もう一度口付けて頬を擦り寄せる。暖かい手に安心する』
ナオ:好き…
ナオ:『時々、無性にこの手に触れて欲しいと思う事がある。一緒に暮らし始めてもうすぐ二年、まだキスより先の事は…していない』
タクマ:ん…
ナオ:…っ!(慌てて手を離す)
タクマ:ん、んー…ナオ…?
ナオ:タクマさん、おはよ
タクマ:いま…なんじ…
ナオ:もうすぐ11時になるよ
タクマ:もう、そんなじかん…
ナオ:まだ寝ててもいいよ
タクマ:…おきる…
ナオ:タクマさん可愛い
タクマ:ナオ…
ナオ:なに?
タクマ:となり…おいで…
ナオ:…うん
潜り込むナオ
ナオ:『広い胸の中に包まれる。暖かくてタクマさんの匂いがする。まるで抱き枕のように腕を回して、まだ半分寝ているタクマさんはとても可愛い』
タクマ:ナオは…
ナオ:ん?
タクマ:いいにおい…するな…
ナオ:…タクマさんの匂い…好き…
ナオ:『吐息が耳に掛かって無意識に体が跳ねた。この体勢は…ヤバい』
ナオ:あっ、あの!タクマさん!
タクマ:ん…何?
ナオ:その、俺、ちょっと…
タクマ:ナオ?
ナオ:ちょっと、トイレ行ってくる!
タクマ:あー、うん…
逃げるようにベットから抜け出すナオ
ナオ:『ヤバい…。タクマさんとくっついてると、なんか変な気持ちになる。俺と違ってタクマさんは…』
ナオ:はぁ…こんなじゃダメだ…
ソファに並んで座る2人
タクマ:『最近、どうも恋人の様子がおかしい。避けられている、と思う。恐らく…これは気のせいではない。頭を撫でようとしただけなのにビクつかれたり、一緒で眠る時もこちらに背中を向けることが増えた』
タクマ:『相変わらず仕事は多忙で、もしかしたらそれをそろそろ不満に思う頃なのかもしれない。機嫌が悪くて何か嫌なことを言っただろうかと思い返しても何も思いつかない。決して鈍感な方では無いと思うが…』
タクマ:『現に今も…。気晴らしになるかと思って、食後に映画に誘ってみた。が、前は隣で肩が触れるくらい近くに座っていたのに約一人分、間が空いている。避けられているというのは…気の所為で無さそうだ』
タクマ:(溜息)
ナオ:どしたの、タクマさん
タクマ:えっ、いや…
ナオ:珍しいね、映画見ながら溜息なんて
タクマ:そう…かな
ナオ:うん
タクマ:あー…年で目が疲れたかな
ナオ:まだ30でしょ、早いよ
タクマ:二十歳のお前にはこの壁が分からないんだよ
ナオ:…グラス片手に映画見てるタクマさん、かっこいいね
タクマ:そう…か
タクマ:あー…どうだ?試しに飲んでみるか?
ナオ:飲むって…それ?
タクマ:あぁ
ナオ:良いの?
タクマ:20歳になったんだから違反では無いだろ
ナオ:…ウイスキー、だよね…
タクマ:最初の酒にしたら強すぎるな…炭酸で割ってみるか
ナオ:それ、甘い?
タクマ:いや全く
ナオ:…甘いお酒の方が飲みやすくない?
タクマ:うーん…甘い酒なんか買ってねぇな
ナオ:じゃあ…ちょっと舐めるだけにする
タクマ:外で酒飲む時は、同年代の酒を知らん奴ばかりで飲むなよ
ナオ:なんで?
タクマ:自分の限界を知らないと後が大変なことになる。飲みすぎて急性アルコール中毒になったり、そこまでならなくても酷い二日酔いになって最悪の目覚めになるぞ
ナオ:経験ありそうな言い方
タクマ:…まーな
ナオ:じゃあ今度一緒に外飲みしよ
タクマ:良いぞ、近くの店なら歩いて行けるしな
ナオ:約束ね
タクマ:あぁ。…ほら、炭酸で割ったぞ
ナオ:ありがと。匂いは…ウイスキーの匂いするね
タクマ:少しづつ飲んでみな。あと水もな
ナオ:(一口飲む)…甘くない
タクマ:言ったろ
ナオ:んー…なんて言うか
タクマ:苦手なら素直にそう言っていいぞ
ナオ:苦手ってわけじゃないんだけど、よく分かんない
タクマ:最初なんてそんなもんだ。20代は自分を知る、30代は酒を知る、40からは嗜む
ナオ:何それ?
タクマ:自分の限界を知って、どんな酒があるのかを知って、ゆっくり楽しむってこと
ナオ:ふぅん…
タクマ:……
ナオ:……
タクマ:…あー…ナオ?
ナオ:なに
タクマ:…そのー、なんだ…
ナオ:どうしたの、タクマさん
タクマ:……
ナオ:なに…?
タクマ:何か…あったか?
ナオ:え、何も無いけど…
タクマ:…その…俺、なにか…したか?
ナオ:タクマさん…?
タクマ:いや、もしかして…自覚無いことで何かやらかしたかなって…
ナオ:…え?
タクマ:え?
ナオ:……
タクマ:…違う、のか
ナオ:だから…え?
タクマ:(長い溜息)最近、避けられてるなって思ってたから…
ナオ:そんな事ないよ!
タクマ:でも離れて座ったりするだろ?
ナオ:……
タクマ:ハグも…なんか抵抗あるって言うか…
ナオ:それは…その…
タクマ:…折角だし、ゆっくり話すか
ナオ:うん…
タクマ:一応確認だが、俺が何かしでかしたとか…あるか
ナオ:ううん、無い。無いよ
タクマ:なら、良かった
ナオ:あ…あのね…、その…
タクマ:ナオ?
ナオ:ごめんなさい、タクマさんが悪いんじゃなくて…俺が悪い…
タクマ:…どういう事?
ナオ:……
タクマ:話しにくい事、か
ナオ:えと…その…
タクマ:…何言われても、受け止める覚悟はあるぞ
ナオ:……
タクマ:だから…好きなやつが出来たとか…
ナオ:なんで?!
タクマ:えっ
ナオ:どうやったらそうなるの?!
タクマ:いや、言い難いって…そういう事かと…
ナオ:違っ…違うよ!そんな人居ない!
タクマ:他に言い難い事…
ナオ:だからっ…その…
タクマ:……
ナオ:えと…その…
タクマ:(吹き出す)
ナオ:な、なんで笑うの?!
タクマ:いや、困ってるのが、おかしくて(笑ってる)
ナオ:笑い事じゃないよ
タクマ:すまんすまん。…で?何がそんなに言いづらいんだ?仕事が忙しいのが不満か?別の部屋に引っ越したい?
ナオ:ううん…
タクマ:金がいるなら出すぞ
ナオ:要らない
タクマ:何か欲しいものがある
ナオ:…無いわけじゃないけど…
タクマ:その事か?
ナオ:……
タクマ:金額が高いとか
ナオ:お金の問題じゃないって言うか…
タクマ:…要領を得ないな。言い難いのはその事について?
ナオ:うん…
タクマ:…ダメだ、俺の貧相な想像力じゃ思いつかん
ナオ:タクマさん…
タクマ:ん?
ナオ:タクマさん
タクマ:どした?
ナオ:だから…タクマさん…
タクマ:んん?
ナオ:だから!タクマさん!
タクマ:だ、だからなんだ…?
ナオ:タクマさんが…
タクマ:俺が…なに?
ナオ:…にぶちん
タクマ:いきなりディスられるとは思わなかった…
ナオ:鈍いよ!
タクマ:すまん…
ナオ:だからっ…タクマさんが、欲しい…って…
タクマ:……は
ナオ:その、俺最近変なんだ…タクマさんにくっつかれたら、モヤモヤするって言うか…ムラムラするというか…
タクマ:……
ナオ:触って、欲しいって…思っちゃって…
タクマ:……
ナオ:でも、タクマさんは俺と違って…その、男が好きって訳じゃないし…
タクマ:……
ナオ:言え…なくて…
タクマ:…まぁ、そうか…
ナオ:その、タクマさんがそういうこと思わないなら、我慢…できるし…
タクマ:あー…その、悪かった(頭を乱暴に撫でる)
ナオ:わっ、ちょ!ぐしゃぐしゃになる…!
タクマ:恋人に我慢させることじゃ、無かったな
ナオ:タクマさん…
タクマ:その…考えなかった訳じゃないんだが、そういうのはどうなんだろうなって思ってて…
ナオ:うん…
タクマ:好きにも色々あるだろ?プラトニックなもので満足とか、やっぱり…肉体的な繋がりがいるとか…
ナオ:うん
タクマ:まぁ…でもそうだよな
ナオ:ん…でも嫌じゃなかったら…
タクマ:嫌じゃない
ナオ:タク…(キスで塞がれる)ん…
タクマ:(数回キスをする)ナオ、舌出して
ナオ:え、こう…?(少し出す)
タクマ:俺の舌と、絡ませて
ナオ:んっ…ふ…
タクマ:もう一回
ナオ:ん…
タクマ:…変なこと、聞いていいか?
ナオ:なに…?
タクマ:…いや、やっぱりいいわ
ナオ:え、なに?気になる…
タクマ:……
ナオ:ここまで来たらなんでも聞いてよ…
タクマ:…俺で、抜いたことある?
ナオ:っ!……
タクマ:あー、いい。もうわかった…
ナオ:ごめんなさい…
タクマ:何も悪くねぇよ(キス)
ナオ:でも…、ん…
タクマ:俺は
ナオ:なに…?
タクマ:女の経験はあるが男は無い。だから、いざってときに…出来ないかもしれない
ナオ:うん…良いよ…
タクマ:…一応聞くが…ナオは、経験あるのか…?
ナオ:…無い
タクマ:そうか…なら、一緒に手探りだな
ナオ:うん…
タクマ:じゃあ、こういう時のキスから…(深く絡ませてキスをする)
ナオ:ん…は
タクマ:上手
ナオ:なんか…このキス、変な気持ちになる…
タクマ:その為にするんだよ
ナオ:いつもより…気持ちいい…
タクマ:だろ?…次は耳
ナオ:ひゃっ!
タクマ:なんだ、耳元弱いのか(キス)
ナオ:ちょ、タクマさん…!
タクマ:首筋は?
ナオ:っ…!く、くすぐったい…
タクマ:くすぐったいだけか?
ナオ:わ、かんない…ゾクゾクする…
タクマ:なるほど(キスを繰り返す)
ナオ:やっ…ダメ…
タクマ:ナオ、ベッド行こうか
ナオ:うん…
タクマ:ついでに上、脱いで
ナオ:…なんか、緊張する…
タクマ:お前な…。手、貸して
ナオ:手?
タクマ:…分かるか?
ナオ:タクマさんも…すごくドキドキしてる…
タクマ:俺だって緊張してんだよ
ナオ:そう…なんだ
タクマ:当たり前だろ
ナオ:…なんか、嬉しい…
タクマ:もし、して欲しくない事とかあったら言え
ナオ:うん…
タクマ:ナオの身体は、綺麗だな
ナオ:そ、そんなことないよ…
タクマ:白くて、手触りがいい。それに…(胸元にキス)
ナオ:ひゃ…!
タクマ:敏感で…可愛いな
ナオ:ちょ、タクマさん…!
タクマ:ん?嫌か?
ナオ:嫌じゃ…ないけど…、なんか変な感じ…
タクマ:そうか、なら続けよう
ナオ:んっ…あっ!(咄嗟に口を塞ぐ)
タクマ:なんで口塞ぐんだ
ナオ:だって…変な声出た…
タクマ:良いんだよ、もっと聞かせて。それに…ナオの気持ちいい所、もっと教えて欲しい
ナオ:で、でも…
タクマ:じゃあ…気持ちいいところ探して、我慢できなくなるようにするか
ナオ:ちょ、タクマさん…っ!んあっ
タクマ:…男でも、ここいじられたら…気持ちいいんだな
ナオ:なんか…じんじんする…熱くなってる気がする…
タクマ:美味そう…(舌を這わせる)
ナオ:あっ…ちょ、や…
タクマ:下、触るぞ…
ナオ:え、ちょ、待って!
タクマ:…なに?
ナオ:その…
タクマ:触られたくないか?
ナオ:…ううん、でも…
タクマ:お前な…。もうこんなになってて(撫でる)
ナオ:(反応する)
タクマ:このままだと辛いだろ?
ナオ:(撫でられて悶える)
タクマ:このままでいいのか?ん?
ナオ:…や、だ…
タクマ:どうして欲しい?
ナオ:…さ、わって…
タクマ:良いよ
ナオ:〜っ!!
タクマ:どう?
ナオ:きもち、良い…
タクマ:もう少し強い方が良いか?
ナオ:あぁっ…や、ダメ…ダメ…
タクマ:…ダメじゃないだろ?ん?辞める?
ナオ:ヤダッ、辞めないで…!
タクマ:そうそう、素直が一番な
ナオ:も、ダメ…出そう…
タクマ:もうイきそ?
ナオ:い、いっちゃう…
タクマ:我慢しなくていいから
ナオ:…っ、も…あっ!
タクマ:…ナオ
ナオ:(呼吸が乱れている)…恥ずかしい…
タクマ:なんで?
ナオ:だって…タクマさんの手、大きくて…すごく気持ちよくて…
タクマ:そうか?
ナオ:うん
タクマ:…ちょっと待ってろ
ベッドから離れるタクマ、すぐ戻ってくる
ナオ:え、何それ…
タクマ:…ローション
ナオ:なんで、そんなもの持ってるの…?
タクマ:…言ったろ、考えなかったわけじゃないって
ナオ:ぁ…
タクマ:ナオ、うつ伏せになって
ナオ:う、うん…
タクマ:冷たいけど、我慢して
ナオ:…ひゃ…!
タクマ:力抜いて
ナオ:う、ん…
タクマ:痛くないか?指一本だけど
ナオ:だ、だいじょ…んっ
タクマ:大丈夫?
ナオ:な、なんか…変な感じするっ…
タクマ:どんな感じ?
ナオ:きもち、いい…
タクマ:そうか(背中にキス)
ナオ:(嬌声)
タクマ:指増やしたけど…痛い?
ナオ:…いた、くな…あっ
タクマ:動いてるの、分かるか?
ナオ:(嬌声)
タクマ:ナオ…
ナオ:タ、クマさぁ…ん…!おかしくなる…っ…
タクマ:…まだキツイ、か…
ナオ:も、いいから…タクマさん、お願い…
タクマ:…分かった。ちょい待って、ゴム付けるから
ナオ:(呼吸を乱しながら)待って…
タクマ:ん?
ナオ:タクマさんの…大きくなってる…
タクマ:あ、あぁ…
ナオ:…して、いい?
タクマ:いや、でも初めてだろ…
ナオ:させて…
タクマ:ナオ、無理しなくていいぞ
ナオ:無理じゃないよ…(口に含む)
タクマ:…っ
ナオ:(愛撫している)
タクマ:初めてにしちゃ、上手…
ナオ:タクマさん、気持ちいい…?
タクマ:あぁ
ナオ:嬉しい…(再開)
タクマ:ん…はぁ…ナオ、もういい
ナオ:いいの?
タクマ:あぁ。四つん這い、なって
ナオ:…この体勢、恥ずかしい…
タクマ:ナオ、力抜いて。…入れるぞ
ナオ:…っ、は…!い…
タクマ:痛いよな、力抜けるか?
ナオ:(声にならない)
タクマ:辛かったら言って
ナオ:だ、いじょ…、タクマさん…
タクマ:無理しなくて良いから…
ナオ:痛いけど…欲しい…
タクマ:分かった、ゆっくりするから…
ナオ:(嬌声)
タクマ:は、いった…
ナオ:あつい…
タクマ:ナオ、大丈夫か
ナオ:へ、いき…
タクマ:動くぞ?
ナオ:(声が上がる)
タクマ:ナオ…ナオ…!(動く)
ナオ:タクマさんっ…気持ち、いい…すごくっ…
タクマ:ナオ、可愛い…
ナオ:タ、クマさっ、好き…好き…
タクマ:好きだよ、ナオ…
ナオ:あっ、ダメ…い…
タクマ:イッていいよ…俺も、イきそ…
ナオ:(ひと際高い嬌声)
タクマ:うっ…く…
息が上がったまま倒れ込む二人
タクマ:ナオ…
ナオ:(呼吸が荒い)
タクマ:ごめん、ゆっくりするつもりが…
ナオ:へいき…
タクマ:(キス)辛くなかったか?
ナオ:うん、すごく…気持ちよかった…
タクマ:そっか。なら、よかった
ナオ:セックスって…すごく幸せなんだね
タクマ:そうだな
ナオ:いつもより、タクマさんが…男らしかった
タクマ:ははっ、なんだそりゃ
ナオ:ホントだよ
タクマ:…ナオは、可愛かった
ナオ:可愛いって…
タクマ:すげーえろかった
ナオ:…なんかヤダ…
タクマ:あー、結構がっついちまったなぁ
ナオ:そう…なの?
タクマ:ご無沙汰だったのもあるけど…
ナオ:?
タクマ:ナオが可愛くて、夢中になっちまった
ナオ:…良かった、タクマさんが…
タクマ:ん?
ナオ:俺で、その気になってくれて…
タクマ:俺も、そう思う。ナオが気持ちよくなってんのに、使い物にならないとかかっこ悪いからな
ナオ:タクマさん…好き
タクマ:俺も好きだよ(キス)
ナオ:…すごく、眠い
タクマ:シャワー浴びてからの方がいい。…シーツも、変えなきゃな
ナオ:…タクマさん…
タクマ:ん?
ナオ:腰、抜けた…
タクマ:ははっ、抱いてってやるよ。ほら、捕まれ(ナオを抱き上げる)
タクマ:『眠気でぼんやりしたナオにシャワーを浴びせて着替える。ついさっきまで抱き合ったベッドを整えて横になると、直ぐに寝息が聞こえてきた』
タクマ:『男が好きになった訳じゃない。正直、今でも女を抱きたいと思う事はあるし、男と特別な関係にと言われたらお断りだ。…ナオだから。こいつだけが自分の中で特別なんだ』
タクマ:…こういうのを、愛って言うのかね…
タクマ:なんてな…(欠伸)寝るかぁ
ナオ:『いつの間にか眠っていた。薄暗い部屋のベッドの中、目の前には穏やかな顔で眠るタクマさんがいる。包まれるような体勢で、そのまま擦り寄ると小さく身じろいて腕に力がこもるのが分かった』
ナオ:『目を覚ました様子は無い、これも無意識なんだと思うと愛しくて堪らなくなる』
ナオ:タクマさん…好き
タクマ:…ん、ナオ…
ナオ:…ぇ
タクマ:…おはよう…
ナオ:おはよ
タクマ:身体、大丈夫か
ナオ:あ、うん。平気
タクマ:良かった
ナオ:なんか…恥ずかしくなってきた
タクマ:なんで?
ナオ:だって…その…
タクマ:なんにも恥ずかしがることなんてねぇよ。する度に恥ずかしがるつもりか?
ナオ:…慣れないんだから、仕方ないじゃん
タクマ:最初だけだよ
ナオ:タクマさん、変なこと…聞いていい?
タクマ:なに?
ナオ:その…俺と、ああいうことするの考えなかったわけじゃないって言ってたでしょ?
タクマ:…あぁ、まぁ
ナオ:その時に…なんで言ってくれなかったの?
タクマ:……
ナオ:嫌がると、思ってた?
タクマ:半分、保護者みたいなもんだからな…手、出していいか分かんなかったんだよ
ナオ:でも…恋人だよ?
タクマ:…そう、だったな(キス)
ナオ:(舌を絡める)
タクマ:…ったく、えろいキスするようになっちまって
ナオ:…教えたの、タクマさんでしょ
タクマ:そういやそうだった(抱き込む)
ナオ:タクマさん、重い
タクマ:(ボソリと)誰にも、渡したくねぇなぁ…
ナオ:ん?なに?
タクマ:なんでもない
ナオ:え、気になる…
タクマ:なんでもねぇよ。…まだ早い、もう少し寝よう
ナオ:教えてよ
タクマ:内緒。ほら、寝るぞ
ナオ:意地悪
タクマ:そーだよ
ナオ:ちぇ…
タクマ:(欠伸)俺は眠い
ナオ:いいよ、また聞くから。…おやすみなさい
タクマ:おやすみ…
終